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狼と香辛料 の売れ筋商品

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狼と香辛料〈15〉 太陽の金貨<上> (電撃文庫)

狼と香辛料シリーズもいよいよ佳境へ。
この巻は2つの意味でターニングポイントであると思います。

まずは1点目、
これまではあくまで「賢狼」ホロと「若い行商人」ロレンスという構図でした。
その上でホロはロレンスをその賢狼としての経験と力でサポートしてきたのであり、
ロレンスはホロに頼り切る事を拒否して、自らの手で問題を解決しようとしてきたのです。
これは親離れをする子供に例えるとわかりやすいかもしれません笑
依存から自立への流れですね。
それがこの巻で結実して、ロレンスがホロと完全に対等な立場に立っている描写がなされます。
「自分ひとりでやる」や「頼る」という発想はあくまで自分と他人を別々の存在と意識している事が前提となるでしょう。
しかし、それを超越して二人が不可分な存在になったのではないか、と個人的に思います。
自分と対等な存在がそばにいるということは、長い間神と崇められてきたホロにとってはどれ程喜ばしい事か。
「子供のように振る舞う」という彼女の願いもようやく叶ったのではないでしょうか。

2点目は、
14巻でホロの気持ちが直接ロレンスに伝えられたこともあって、2人の関係が「恋人」から「夫婦」へと変わってきているかな、と。
新たに「家族」というメッセージが強く押し出されているように感じました。
これは1点目との関連もありますね。互いの存在がバラバラでは成り立たなくなった。これが背景かと。

長い間狼と香辛料シリーズを読んでると愛着もわく訳で、二人がかつて別れるはずだったことを考えると、
色々と思うことがあってまとまらない。長文になって申し訳ない。評価は文句なしの満点で。

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