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化物語 第六巻/つばさキャット 下【完全生産限定版】 [Blu-ray]

本編の出来については、既に語る必要がないくらいのレビューが付いているため、ここでは割愛します。

本編以外の目玉でもあるキャラクターコメンタリー(以下、キャラコメ)ですが、
第1巻の「ひたぎクラブ」から、とにかくそのボリュームと完成度が圧倒的で、
こればっかりは他の作品の追随は不可能であろうと思っています。これをまとめるだけで、
各巻で本一冊分くらいはあるのではと思います。

興味深いのは、メタ視点にも立ちつつ、あくまで各キャラクターは当事者であり続けています。
全ては自分たちが実際に体験したことで、それを映像作品化してみているという立ち位置です。

3巻以降で顕著なのですが、例えばヴァルハラコンビの掛け合いは原作では出てきません。
4巻の忍野のコメントでは、明確に彼の考えが述べられていますし、偽物語(下)のアレについても
彼は気づいていた事になっています。この巻の内容も、化物語と偽物語の橋渡しをするには
十分な内容です。

このシリーズは基本的に暦の視点で描かれているため、どうしても暦に引っ張られて
書ききれない部分が出てきます。そこをキャラコメで補完することにより、
原作で「?」だった部分が詳らかにされていきます。これは、原作だけでは絶対に出来ないことです。

つまり、西尾維新はキャラコメを借りて、暦ではケアできない作品世界の隙間を丁寧に埋めているのです。
他の作家さんがなかなか真似出来ないことを、サラッとやってのける。
あとがたりでもさんざん言われていますが、「西尾維新、すげぇ」のです。

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