狼と香辛料 の売れ筋商品
狼と香辛料〈4〉 (電撃文庫)
人気シリーズ第4作目です。
今回はホロの帰郷という大テーマの通過点といった感じの作品。
いままでが破産や命、決別という危機の中での頭脳戦だった事に比べると、
しょうしょう起伏が少なく、盛り上がりに欠ける感があります。
一方で「宗教」のあり方や、中世の「税金」などの背景がストーリーに
上手く反映されており、徐々に世界の広がりを感じさせます。
前作までが中盤5割からスピード感あふれる展開だったとすると、
今回は7〜8割が日常風景でのんびしていた感覚です。
1冊1冊の完成度からすれば前3作の方が上に感じますが、
どうでしょうか? 長い連作ものだとすれば、
全体での緩急の「緩」にあたる1作であり、
全体での深みを考えると、これも良いのかもしれません。
「商売」というテーマで毎回エキサイティングな展開を作る
というお約束事は巻を進めるごとに、アイディア出しが難しくなりそうですが、
今後の展開に期待です。
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