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かんなぎ の売れ筋商品

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かんなぎ 6 (REX COMICS)

武梨えり「かんなぎ」の6巻。ちょうどアニメも始まったので
お手に取るにはいい機会なんじゃないだろうか。しかも今回は3ヶ月タームでの刊行。攻めを感じさせる。カバー裏も。

5巻を読んだとき、シリアスに特化した話の流れとざんげちゃんによる温かい話、
その二つの要素が新鮮で、それまでで一番自分の印象に残ったのだが
この6巻も別の意味でかなり印象に残る巻だった。 作者のおまけページの言葉を借りるならば正しく「男祭り」。
6巻の半分近くが仁のモラトリアムを感じさせる甘酸っぱい話になっていて驚く。ラブコメ漫画なのに、まさかその主人公の掘り下げに
ここまで話数を割くとは。 男の友情を感じられるとは。

しかしこれがまた非常に面白い。いい味出してる。
仁と大鉄の出会いの話が大きなトピックだと思うがこの二人の絡み合いは想像以上に微笑ましい。
なんでかっていうとやはり仁の無防備な純粋さが光っているから。
中学生時代の彼は読んでるこちらが恥ずかしくなるほど純粋な少年だった。
これはトゥーピュアピュアボーイなんて呼ばれても仕方ないくらいに。(背も低いし、子供に見える)
  中学生時代のみならず、今でも自分探しを続けたり些細なことで気が動転する仁という男は
ラブコメの主人公としてやや破格だなあ、と今更思った。
仁がつぐみにした「過ち」も描かれる。過去の巻でつぐみに謝っていた「アレ」が。そしてやっぱり大鉄はいい奴だった。この話は傑作。オチも含めて。

感情表現の仕方も上手い・・・男でも女でも。
仁が最後に自分の恋心を自覚する一連のシーンなどは非常にシンパシーを感じる。
やっぱりこれも見てて恥ずかしい。でもそれが気持ち良いのかも知れない。ある種の青春作品として。

と、ここまで仁ばっかのレビューになってしまったが全体を通しても充実した内容。
仁の自分探し話、大鉄が活躍する仁の中学生時代に加え新キャラのおずま(通称おっくん、不気味な子供キャラ)が登場したり
ナギとざんげちゃんの文化祭のある特権を賭けた対決あり、そして武梨えりの細かいギャグは今まで以上に冴え渡っていたり。
 おずまに関してはざんげちゃんやナギと何やら深い関係、もしくは因縁があるようで新たに貼られた複線にも楽しみは膨らむ。もちろん、恋に目覚めた仁とナギの関係にも。


でもやっぱ、今巻の主役は仁だ。ラブコメなのに、一番面白かったのは彼の存在だった。
そんな彼も実は活躍という活躍はしていない。内省、改心がほとんど。
存在感は大いに示したので、これからは彼の本当の活躍に期待したい。そんな気持ちになった6巻でした。

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