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電波女と青春男〈2〉 (電撃文庫)
エリオ、随分と可愛くなっちゃってまあ――。真に懐くこと小鳥の如し、かまってオーラと放っておくなオーラが全開で、お陰で真に対しあれやこれやなリュウシとの気まずさが半端なし。もっとも、これを恋とか愛とか言えるのかは疑問の余地がまだありますですが。家族愛と異性愛、その境界を見極めるのはこのイトコ殿相手では難しそうですな。
今回は悪意とか、家族愛とかそうしたものが印象に残りましたですかね。社会復帰を目指すエリオへの周囲の悪意、そんなエリオを含めた女々の家族達への隠れた頑張り、気遣いそして想い。そう、今回のメインは女々と言っていいでしょう。
表向きのその言動は装飾で、態度は虚飾で、結果はただ真なる当事者達にしかその本当の意味を示さない。そんなふざけたキャラクター達がどこまでもふざけながら、しかしここぞという時だけは困窮している相手にその手を差し伸べる。宇宙人だなんだという、一見物語全体を覆っているかに見えるものそれ等のものをその時だけは吹き飛ばし、実体のある人間としてのその手を「確かにここにある」と示しながら。前巻での真のその役目を、今回は女々が担うことにとなります。
真は青春ポイント稼ぎ過ぎ、エリオはとっても健気過ぎ、リュウシは色々乙女過ぎだし、前川さんは何ともいいキャラし過ぎ、女々は――大人としてアレ過ぎ、最高過ぎ!誰もが辛いからこそ宇宙人、UFOを求める――現実からの逃避として。それをしかし否定しようとする者達がいて、そんな彼等彼女等がこの「電波女と青春男」を支えている。読んだ後ふと自転車に乗りたくなるそんな物語、貴方もいかがですか?
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